オチのない怪談ブログ

自分が体験した、あるいは誰かから聞いたオチのない怪談を蒐集するブログ

黒い女②

続き。

 

特に何事も起こることがなく、ビジネスホテルでの朝を迎える。

子供もいつもより早く起きたくらいで、変わった様子はない。

朝ごはんを食べて支度をしてホテルを後にする。

 

その帰り道、車の中で子供が

 

 

 

「黒い女、夜も来たよ」

 

 

と言った。

どう言うこと?と聞くと話してくれたのが以下の話。

 

夜寝ていると、布団がどんどん下に下がっていってしまい目が覚めた。

肩が出て、ついにお腹まで出てしまった。

隣に寝ている私が引っ張っているのかと思い横を見たが違った。

 

 

黒い女が布団を引っ張っていた。

 

 

思わず目をつむり壁の方を向く。

 

すると壁に黒い女の顔が張り付いている。

目や鼻はわからない。

黒いシルエットのようである。

 

思わず反対側に寝ている私の方に向き直ると、

 

 

 

 

隣に寝てる私の顔が、見知らぬ老人の顔になっていた。

 

 

そのホテルの部屋で過去に何かあったのか。

 

何故私の顔が老人に変わっていたのか。

 

理由はわからない。

 

 

 

 

黒い女①

 子供と二人で、ビジネスホテルに泊まりに来た。

風呂に入り、ご飯を食べに行こうと外に出ると鍵の調子がおかしい。

オートロックがかからないのだ。

フロントに電話してスタッフに来てもらった。

ドアの方に出て行っていろいろとスタッフが試行錯誤しているのを眺めている。

 

なんとか鍵が掛かるようになり、部屋の隅で待ってた子供のところに行くと

 

「ドアのところに黒い女がいた。」

 

 

と言われた。

 

 

今日一晩、ここで過ごさないといけないのだが。

 

 

 

続く。

入れ替わり

子供を幼稚園に連れて行き、車から降りる。

車の窓に映った自分を見て「しまった」と思った。

赤い派手めなマフラーを巻いてきてしまった。

幼稚園の送迎なら、茶色い地味な方にしておけばよかった。

 

とりあえず出席表を出して、荷物を取りに再び車に向かう。

 

窓に映る自分を見ると、

 

茶色のマフラーをしている。

 

 

 

どう言うことだ?

 

つい一分前までは赤い方をしていたような…。

 

 

 

勘違いだったのかな、と思い助手席にいる子供に、さぁ行こう、というと。

 

 

「パパ、さっき赤いマフラーしてたよね?」

 

 

と、言われた。

だらり

信号待ちで停車していると、前を自転車に乗った親子が通り過ぎる。

後ろの席に幼児を乗せて、抱っこ紐で乳児を抱っこしているのか、だらりと小さな足が母親の脇からのぞいている。

 

信号が青に変わったので親連れに気をつけながらゆっくりと左折する。

 

仕方がないのだろうが、転んだりしたら危ないなと、なんとなしに自転車に乗っている親子を見ると、

 

子供は後部座席に乗っている、一人だけだった。

真夜中の物音

私は猫を3匹飼っている。

 

「ガタンッッッ!!!」

 

…ああ何か落としたな。

 

 

なので真夜中に物音が聞こえても大抵、猫が立てた物音で片付けられる。

 

 

 

「タッタッタッタッタッ……」

 

…追いかけっこでもしてるのか?

 

だけどたまに、これは本当に猫が立ててる音なのか、と思う音が混ざっている。

 

 

「ズルっ……ズルっ……ズルっ……」

 

………これは何をしている音だ…?

 

 

だけど。

 

 

「アハッ………」

 

 

考えると怖いから全て猫が立ててる物音、ということにしている。

そっちじゃない

学生時代、学校行事で軽い登山に来ていた。

景色のいいところで「写真を撮ろう」と言うことになった。

 

何枚か写真を撮って後日現像する。

すると、その一枚の写真に異変が起きていた。

ある男子生徒の腕がきれいに消えていたのである。

 

当の本人は気持ちのいいものではない。

 

周りの友人たちには気にするなと言われたが、その写真をもらいお寺で供養してもらう事にした。

 

お寺で住職に写真を渡すと、

「違う、そっちじゃない。本当に危ないのはこっち。」

と別の男子生徒の足を指差す。

 

そこには、激怒したような形相の、真っ赤な男の顔が映り込んでいた。

 

 

 

 

 

足に顔が映っていたことは本人には伝えないまま、すぐに供養してもらった。

テケテケ

子供と二人、夕方の商店街を歩いていると突然子供が「わぁ!」とのけぞった。

 

どうしたの?

と聞くと「生首がいた」とのこと。

 

詳しく教えて、と詳細を尋ねると

 

「長い髪の女の生首に手が生えていて、真顔でこっちに近づいてきて消えた」

とのこと。

 

テケテケは実在したのだなぁ。

 

パパも見たかったな、といい手を繋いで歩いた。