何人かのグループで登山をしていた時のこと。
日が落ち始めた山道で帰路についていると、山の上に円盤型の冗談みたいに典型的なUFOが現れた。
円盤の下からは光がさんさんと注がれていて、驚きもあったがあまりの美しさにその場にいた全員が見惚れてしまったという。
UFOは来た時と同じような唐突さで姿を消し、明るく照らされていた山道が元のような薄闇に戻る。
なぜかみんな押し黙って下山して、山を下りた後に誰かが言った。
「UFO凄かったね。」
「……なにそれ?」
なぜかそこにいた人の半分は、何も覚えていなかった。