オチのない怪談ブログ

自分が体験した、あるいは誰かから聞いたオチのない怪談を蒐集するブログ

影が走る

年の暮れ。

忘年会でしこたま飲んだ兄から「迎えにきてくれないか」と電話があった。

すでに時刻は2時を回っていたが、他に頼む人もいないのだろう。

しぶしぶ車を出すことにした。

 

兄と兄の友人二人を乗せ、夜の道を走る。

 

すると、横からヘッドライトに向かって垂直に交わるように、黒い影が走ってくる。

 

ぶつかる、と思った瞬間ライトに溶けるように影は消えた。

 

今のはなんだったのだろう、と思う間もなく今度は反対から、

同じように影が走ってくる。

 

全く同じことが、3、4回続いた。

 

 

だが兄の友人を家に送り届けてからは、ぴたりと影は現れなくなった。