オチのない怪談ブログ

自分が体験した、あるいは誰かから聞いたオチのない怪談を蒐集するブログ

知人から聞いた体験

黒い女②

続き。 特に何事も起こることがなく、ビジネスホテルでの朝を迎える。 子供もいつもより早く起きたくらいで、変わった様子はない。 朝ごはんを食べて支度をしてホテルを後にする。 その帰り道、車の中で子供が 「黒い女、夜も来たよ」 と言った。 どう言うこ…

黒い女①

子供と二人で、ビジネスホテルに泊まりに来た。 風呂に入り、ご飯を食べに行こうと外に出ると鍵の調子がおかしい。 オートロックがかからないのだ。 フロントに電話してスタッフに来てもらった。 ドアの方に出て行っていろいろとスタッフが試行錯誤している…

テケテケ

子供と二人、夕方の商店街を歩いていると突然子供が「わぁ!」とのけぞった。 どうしたの? と聞くと「生首がいた」とのこと。 詳しく教えて、と詳細を尋ねると 「長い髪の女の生首に手が生えていて、真顔でこっちに近づいてきて消えた」 とのこと。 テケテ…

車内にて

夜、一人で運転をしていると 「コンコンコンコンコン!!!!」 とノックが聞こえ飛び上がるほど驚いた。 不審者が車に乗り込んでいたのか? 急いで路肩に車を停めて車内を確認する。 幸いにも誰も乗っていない。 幽霊の方だったか、よかった。 運転席に戻り…

影が走る

年の暮れ。 忘年会でしこたま飲んだ兄から「迎えにきてくれないか」と電話があった。 すでに時刻は2時を回っていたが、他に頼む人もいないのだろう。 しぶしぶ車を出すことにした。 兄と兄の友人二人を乗せ、夜の道を走る。 すると、横からヘッドライトに向…

自殺の現場

小学校の頃、担任に聞かされた話。 何故か人の死に目によく遭うという、K先生は観光旅行の折にとんでもないものを目にする。 飛び降り自殺を間近に見てしまったのだ。 崖の上から落ちてくるそれは、人形のように絶壁を転がり落ちてきた。 首が信じられないよ…

先客②

温泉旅館に泊まった時のこと。 大浴場に向かい、更衣室に入るとガランとしている。 ロッカーの鍵が閉まっているのは一つだけ。 先客は一人だけのようだ。 浴室に入ると曇りガラスの向こうに露天風呂につかっている背中が見える。 他に誰もいないのに露天風呂…

先客①

「早くお風呂に入りなさい」 一階のリビングから母の声が聞こえてきた。 三人兄弟の末っ子だった彼は、二人の兄に遅れて階段を降りる。 子供の頃、三人で一緒にお風呂に入るのが日課だったのだ。 脱衣所のドアを開けると、曇りガラスの向こうに人影が見える…

魑魅魍魎

子供の頃、祖父の家に泊まりにいった時のこと。 その夜は一人で祖父のベッドを借りて寝ることになった。 深夜ふと目が覚めて、「今何時くらいかな」と枕元の時計を見ると。 時計から蛇やカエル、ムカデ、蜘蛛他様々な動物や蟲が、ブワッと大量に飛び出して来…

銀色の球体

・通勤中の車内にて とてもよく晴れた朝、車でいつもの道を職場に向かっていると空に銀色の球体が静止している。 どうみても飛行機ではない。 一点から微動だにせずに浮かんでいる。 信号待ちの時にそうだ写真を、とスマホを取り出そうとして再び見ると、跡…

「昨日ね、幽霊を見たの」

とあるカフェにて。 「昨日ね、幽霊を見たの。 頭は毛が生えてなくて、長いコートを着ていてね。 半透明で向こうの景色が見えていたんだよ。 気持ち悪かったのは、眼だね。 握りこぶしくらいの大きな眼が顔の半分くらい占めててさぁ。 それが近づいてくるか…

古民家奇譚

今はもう取り壊されている築100年以上あった、古民家で起きた小噺集 ・夜寝ていると、父親の声で玄関の方から名前を呼ぶ声がする。 鍵を忘れたのか、と思いドアの前まで行くも人の気配はない。 父親に「今帰ってきてた?」と電話すると、「まだ仕事中だ」と…

首が落ちる。

娘が病に伏して、入院した。 夫は数年前に他界していたため、マンションに一人住まいだった。 ある朝、棚の上に飾ってある博多人形を見ると、 首が落ちていた。 随分前に親戚から娘宛にもらったものであり、それから何年も飾っていた人形だった。 無造作に首…

ずっと覚えていてね。

実家の猫が、亡くなった。 20年近く生きたので大往生であろう。 しばし、悲しみに暮れる日々を過ごした母がふとスマホを見ると、撮った覚えのないありし日の愛猫の写真が入っている。 いや、正確には確かに撮った写真なのかもしれないが、が15年以上前の「ま…

給食室のドアを開けて、廊下に出ると大きな猫が座っている。 室内に猫がいることなどあり得ないので、うわっと驚いて後ろに後ずさる。 一緒に出てきた同僚に「どうしたの?」と聞かれたので、 猫が……と言って指をさすと、もう猫はどこにもいなかった。 その…

ニンギョウ

夕暮れの通学路を歩いている。 日は暮れかけており、住居から淡い光が漏れていた。 その住居の一つ、窓辺に日本人形が「道路の方を向いて」飾ってある。 これでは飾っている家からは背中しか見えない。 そんな飾り方をするだろうか。 さらに異様なのはその人…

霊感がある母親

小学生の頃。 友人に、霊感があるという人がいた。 いわく、「家にも普通に居る」らしい。 その友達から家に遊びに誘われた。 自分は霊感などなかったし、そう言った類いも信じていなかったため特に抵抗なく遊びに行くことにした。 友人の家は玄関を開けると…

足音

風呂から上がり、脱衣所で服を着ているとリビングから足音がする。 ドンッ……スーー ドンッ…スーー ドンッ…スーー ドンッ…スーー と重々しいすり足で歩く音だ。 恐る恐る脱衣所のドアを開けると、小太りのおじさんが横切っていくところだった。 こちらを見る…

樹海にて

大学時代のバイト先の店長から聞いた話。 若い頃、友人数名で遊び半分で青木ヶ原の樹海に向かった。 鬱蒼としげる森の中を車で走っていく。 すると前方にやたらゆっくりと走るボロボロの車があることに気づいた。 追い越しできるほどの道幅がなかったため、…

高速にて

大学時代、韓国留学生から聞いた話。 母親と2人で高速を走っていると、中央分離帯のところに女が佇んでいる。 母親はそれに気がつくと、「こんな所に立っているなんて何か事情があるのかも知れない、乗せてあげようか?」 と言う。 真昼間だったので幽霊だと…

カーテン

子供の頃祖父から聞いた話。 祖父の友人は出先で起きた火事で奥さんを亡くしてしまった。 痛ましい事故からしばらく月日が経った、ある夜のこと。 一階にある寝室で寝ていると、カーテンを「シャーッ……シャーッ…」と繰り返し開け閉めする音がする。 何度も何…

ドアノブ

洗面所で鏡を見ながら歯磨きをしていた。 鏡越しの背後に、リビングと玄関を隔てるドアが見える。 そのドアのドアノブが、カクッと傾いたと思うと、グググググとゆっくりと下がり始めた。 歯磨きをしながらその様子を眺めてると、ついにドアがぎぃと開く。 …

社員寮

当時住んでいた社員寮には、出るという噂があった。 社員寮の廊下には中庭があって、ベンチが置いてある。 そのベンチに真夜中老婆が座っている、という噂だった。 噂の真相を確かめてやろうと、ある夜中庭を監視することにした。 さすがに廊下に出るのは怖…

化ける者

妻の体験。 深夜寝ていると、猛烈に胸のあたりが苦しくなり目を覚ました。 誰かがものすごい力で喉のあたりを押さえており息ができない。 体も金縛りにあったように動かず目も開けられない。 何とか目を開け開けるとそこには 私が居た。 ニヤニヤと見たこと…

霊を轢く

車を運転していると、道端に明らかにやばい雰囲気を醸し出している、小さな鳥居があった。 その鳥居のそばに男がぼうっと立っている。 生きた人間ではなさそうだ。 目を合わせないように男のそばを通り過ぎようとした時、 ガッタンと、何もないの道路で何か…

バタン

スーパーで買い物をしてると、仕事先のバイトの女の子が立っていた。 「あ、Aさん!」 話しかけたところで、スタッフ用の通行口のドアが開いた。 驚くことに、ドアはAさんをすり抜けた。 バタン!!! とドアが閉まると、Aさん消えていた。 Aさんは存命であ…

山の上のUFO

何人かのグループで登山をしていた時のこと。 日が落ち始めた山道で帰路についていると、山の上に円盤型の冗談みたいに典型的なUFOが現れた。 円盤の下からは光がさんさんと注がれていて、驚きもあったがあまりの美しさにその場にいた全員が見惚れてしまった…

「帰ってきてるなら言えよ」

職場の近くに借りた家でくつろいでいると、 実家の兄から電話がかかってきた。 「あのなぁ、帰ってきてるなら一言言えよ。」 「え?なにが?」 「お前の部屋の、電気の紐ガチャガチャやる音うるさいんだよ」 しばらく実家には帰ってなかった。

すりガラス②

続き。 すりガラスの向こうの玄関に黒い影が歩かなくなったら、今度は白い影が現れるようになった。 大きさからして子供だろうと思った。黒い影に感じた禍々しさは、家族の誰もが感じなかった。 Tさんには幼くして亡くなった弟がいた。 遺骨は家においてあり…

すりガラス①

Tさんの家はリビングからすりガラスを通して玄関が見える。 いつからか家族でリビングで談笑していると、すりガラスの向こうに黒い影が見えるようになった。 玄関から二階にあがる階段の間を、うろうろと歩いている。 部屋に入ってくるわけではなかったが、…