オチのない怪談ブログ

自分が体験した、あるいは誰かから聞いたオチのない怪談を蒐集するブログ

自殺の現場

小学校の頃、担任に聞かされた話。

 

何故か人の死に目によく遭うという、K先生は観光旅行の折にとんでもないものを目にする。

 

飛び降り自殺を間近に見てしまったのだ。

崖の上から落ちてくるそれは、人形のように絶壁を転がり落ちてきた。

首が信じられないような角度まで曲がり、両腕は肘から抜け骨が飛び出してしまっていたという。

グラグラになった首が何度も何度も地面に叩きつけられ「取れてしまうのではないか」とまで思ったそうだ。

 

ようやく落下が終わった後も、K先生は目を離せずにいた。

 

すると、おおよそ原型を留めていないその人は

 

 

 

    「寂しいから、見てて」

 

 

 

と言った。

 

 

 

 

その人は医者がみるまでもなく、即死だったという。