小学校の頃、担任に聞かされた話。
何故か人の死に目によく遭うという、K先生は観光旅行の折にとんでもないものを目にする。
飛び降り自殺を間近に見てしまったのだ。
崖の上から落ちてくるそれは、人形のように絶壁を転がり落ちてきた。
首が信じられないような角度まで曲がり、両腕は肘から抜け骨が飛び出してしまっていたという。
グラグラになった首が何度も何度も地面に叩きつけられ「取れてしまうのではないか」とまで思ったそうだ。
ようやく落下が終わった後も、K先生は目を離せずにいた。
すると、おおよそ原型を留めていないその人は
「寂しいから、見てて」
と言った。
その人は医者がみるまでもなく、即死だったという。