オチのない怪談ブログ

自分が体験した、あるいは誰かから聞いたオチのない怪談を蒐集するブログ

2022-01-01から1年間の記事一覧

霊を轢く

車を運転していると、道端に明らかにやばい雰囲気を醸し出している、小さな鳥居があった。 その鳥居のそばに男がぼうっと立っている。 生きた人間ではなさそうだ。 目を合わせないように男のそばを通り過ぎようとした時、 ガッタンと、何もないの道路で何か…

バタン

スーパーで買い物をしてると、仕事先のバイトの女の子が立っていた。 「あ、Aさん!」 話しかけたところで、スタッフ用の通行口のドアが開いた。 驚くことに、ドアはAさんをすり抜けた。 バタン!!! とドアが閉まると、Aさん消えていた。 Aさんは存命であ…

もいもー

中学生のころ引っ越しをして、初めて自分の部屋というものができた。 新しくできたばかりの新築マンションだったためまだ住んでいる人が少なく、妙に静かで薄暗い雰囲気があった。 隣の部屋がまだ空室にもかかわらず壁を叩くような音が聞こえたり、深夜に廊…

山の上のUFO

何人かのグループで登山をしていた時のこと。 日が落ち始めた山道で帰路についていると、山の上に円盤型の冗談みたいに典型的なUFOが現れた。 円盤の下からは光がさんさんと注がれていて、驚きもあったがあまりの美しさにその場にいた全員が見惚れてしまった…

ぐにゃり

猫のトイレを掃除しようとして、いつも使っている鉄製のシャベルを取り出した。 ぐにゃりと、90度曲がっている。 家族に聞いても誰も理由はわからない。 戻そうとしても、人間の力ではとても戻せない。 仕方がないので90度曲がったシャベルで、掃除を済ませ…

戒壇巡り

香川県の善通寺に行った時の話。 善通寺の本堂の床下を歩く、「戒壇巡り」というものをやった。 一寸先も見えない、全くの暗闇の中を左手を壁に添えて宝号を唱えながらゆっくりと歩く。 頼りになるのはひやりとした左手の感覚と、前後の人が唱える宝号の声の…

「帰ってきてるなら言えよ」

職場の近くに借りた家でくつろいでいると、 実家の兄から電話がかかってきた。 「あのなぁ、帰ってきてるなら一言言えよ。」 「え?なにが?」 「お前の部屋の、電気の紐ガチャガチャやる音うるさいんだよ」 しばらく実家には帰ってなかった。

すりガラス②

続き。 すりガラスの向こうの玄関に黒い影が歩かなくなったら、今度は白い影が現れるようになった。 大きさからして子供だろうと思った。黒い影に感じた禍々しさは、家族の誰もが感じなかった。 Tさんには幼くして亡くなった弟がいた。 遺骨は家においてあり…

すりガラス①

Tさんの家はリビングからすりガラスを通して玄関が見える。 いつからか家族でリビングで談笑していると、すりガラスの向こうに黒い影が見えるようになった。 玄関から二階にあがる階段の間を、うろうろと歩いている。 部屋に入ってくるわけではなかったが、…

天井に浮かぶ腕

妻の体験。 悪夢を見ていた。 なぜか数人でリアカーに荷物をたくさん載せて夜逃げのようなことをしている。 自分は少し遅れて、あとから出発する。 すると先に出ていった人たちは跡形もなく消えており、リアカーだけが横転している、という夢だ。 その場面で…

身に覚えのない写真

大学時代に、バイト先の友人に聞いた話。 地元の友達数人と、写真を撮った。 まだスマホが普及している時代ではなく、インスタントカメラだったため後日現像に出したという。 すると一枚全く身に覚えのない写真が混ざっていた。 その写真には、見知らぬ人間…

ノイズ

自室で一人、怪談を語る番組を見ていた。ちょうど霊が現れる描写を語っている時に、ブブブブブブブブと今まで聞いたことのないノイズがヘッドホンから流れ、画面が小刻みに揺れた状態でフリーズした。何か、通ったのか?

ノック

今日明け方、自室のドアがノックされて目が覚めた。ドアを開けたが、常夜灯のついた廊下には誰もいなかった。

やたら人が死ぬ病室

知人の看護師に聞いた話。 定員8人の大部屋の、特定のベッドでだけよく人が亡くなる。 お年寄りの多い病棟だったので無理もないのかもしれないが、それでも異様にそのベッドでなくなることが多い。 亡くなるような病状でない方も、亡くなるということが散発…

ループする夢

夢の中で自分の前に見知らぬおばさんが居る。全く見覚えがない顔だ。おばさんは水を飲もうとして、こぼしてしまう。すると巻き戻されるかのように水がコップに戻った。おばさんはまたそのコップから同じ動作で水を飲もうとして、こぼす。それを延々と繰り返…

ルームミラー

助手席に妹を乗せて走っていると、 「ねぇ、見てくるのやめて」 と言われる。 何が、と聞き返すと 「ルームミラーでこっち見るのやめてってば」 と言われる。 いや、見てないわと言い返すと 「今もずっと目合ってるじゃん!!」 いや、それじゃ運転できない…

行きたいところにたどり着けない話。

Oさんから聞いた体験。 知人から譲ってもらったお守りが、ボロボロになってきた。 捨てるわけにもいかないので、厄除けで有名な神社に納めに行くことにした。 ナビを頼りに車で神社に向かう。 もう少しで神社に着くというところで別れ道がある。 右と左に矢…

混線

今日あった出来事。 仕事であるお客さんに電話をした。 数コールあって、繋がる。 「〇〇ですけど。」 全く違う人だった。 「すみません~~さんの携帯ではないですか?」 と確認するも、違いますとのこと。 「申し訳ありません。間違えました。」 と電話を…

返事

家族でリビングにおり寝る準備をしながらなんとなしに会話をしていた。すると妻が玄関から「はいっ」と言う、小学生くらいの女の子の声が聞こえたと言う。こちらの会話に対して連動していたら気味が悪いなと思って聞いたが、脈絡のない返事だったと言う。幽…

白目がない。

中学生のころ、父方の祖父が亡くなった。 家族一同で車に乗り込み、祖父の遺体が安置されている病院に急いだ。 駐車場に着くと兄が 「向かいの車に、犬がいない?」 と言った。 犬らしき姿は見えない。 確かめてみようと、車から降りて件の車に近づく。 窓か…

「起きられますか」

就活のため、川口のビジネスホテルに泊まった。実家から行ける場所にあったため元々泊まる予定はなかったのだが、猛烈な台風が来るとの天気予報があったため急遽宿を取ったのだ。嵐が近づいてくる不安感と、就活の緊張感、慣れないビジネスホテルの妙に柔ら…

子供部屋怪談③ 朝食の支度

二段ベッドの二階で、自然と目が覚めた。 ブラインドの隙間から朝日が差し込んでいる。 もう朝だ。 扉一枚隔てたキッチンからは母が朝食の支度をする音が聞こえる。 だが、まだ起きるには少し早い。 布団に潜り込み、もう一度眠ることにした。 しばらく微睡…

子供部屋怪談② 絶叫

兄と同部屋だったころの中学低学年の時の体験。 二段ベッドの二階で、気持ちの悪い夢を見ていた。 クラスメイト数名で駅のホームに居た。 通過列車が通り過ぎる時、そのうちの一人を線路に落とす。 クラスメイトは断末魔をあげて、列車に飲み込まれる。 骨と…

子供部屋怪談① ベッドをたたく手

中学生低学年のころ、まだ兄と同部屋だった。 6畳程度のマンションの一室に机を背合わせで置き、壁際には二段ベッドがあった。 僕はその二階を使用していた。 生活空間は、ベッドの上と机の上だけの狭い空間であった。 そこで起きた短い怪異をいくつか。 夜…