オチのない怪談ブログ

自分が体験した、あるいは誰かから聞いたオチのない怪談を蒐集するブログ

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

幽体離脱あるいは何かの擬態

今起きたこと。 明け方。 別室で寝ている妻の血相を変えたような声で、名前を呼ばれて起こされた。 何かあったのか、と飛び起きるもそれから何も言われない。 恐る恐るドアを開けてみると、誰もいない。 その時、ちょうど妻の部屋から目覚ましのアラームが流…

給食室のドアを開けて、廊下に出ると大きな猫が座っている。 室内に猫がいることなどあり得ないので、うわっと驚いて後ろに後ずさる。 一緒に出てきた同僚に「どうしたの?」と聞かれたので、 猫が……と言って指をさすと、もう猫はどこにもいなかった。 その…

ニンギョウ

夕暮れの通学路を歩いている。 日は暮れかけており、住居から淡い光が漏れていた。 その住居の一つ、窓辺に日本人形が「道路の方を向いて」飾ってある。 これでは飾っている家からは背中しか見えない。 そんな飾り方をするだろうか。 さらに異様なのはその人…

嗤う声

台風が九州を通過した関係で、雨は降らなかったが風が強かった日。 夜中ウッドデッキで子供と風を浴びながら歯を磨いていると、 庭のフェンスの少し向こうの暗闇から 「ウフ…ウフフフ…」 と神経に触るような甲高い声で嗤う女の声が聞こえて、慌てて家の中に入った。…

短怪談③

・お経 授業が終わると、隣のクラスの連中がどやどやと入ってきて席を囲まれる。 「さっきの授業中お前のお経を唱える声がうるさかった」と口々に言われる。 お経どころか、一言も発してはいない。 ・スリッパ 真夜中リビングから「キャンキャンキャンキャン…