オチのない怪談ブログ

自分が体験した、あるいは誰かから聞いたオチのない怪談を蒐集するブログ

自分の体験

入れ替わり

子供を幼稚園に連れて行き、車から降りる。 車の窓に映った自分を見て「しまった」と思った。 赤い派手めなマフラーを巻いてきてしまった。 幼稚園の送迎なら、茶色い地味な方にしておけばよかった。 とりあえず出席表を出して、荷物を取りに再び車に向かう…

だらり

信号待ちで停車していると、前を自転車に乗った親子が通り過ぎる。 後ろの席に幼児を乗せて、抱っこ紐で乳児を抱っこしているのか、だらりと小さな足が母親の脇からのぞいている。 信号が青に変わったので親連れに気をつけながらゆっくりと左折する。 仕方が…

真夜中の物音

私は猫を3匹飼っている。 「ガタンッッッ!!!」 …ああ何か落としたな。 なので真夜中に物音が聞こえても大抵、猫が立てた物音で片付けられる。 「タッタッタッタッタッ……」 …追いかけっこでもしてるのか? だけどたまに、これは本当に猫が立ててる音なの…

スイッチ

カチ カチ カチ カチ という音で深夜に目を覚ます。 音は一定のリズムでずっと続いている。 なんの音だろうか。 寝ぼけた頭でぼんやり考える。 カチ カチ カチ カチ ああこれは、電気のスイッチを押す音だ。 廊下に続く自室のドアを見ると、かすかに空いてい…

電光掲示板

車を運転していると、視界の端にマツモトキヨシの派手な電光掲示板が映る。 「マ」の字が大きくなったり、回転したりとせわしない。 ちょうどマツモトキヨシの前で赤信号になり、電光掲示板を見やる。 そこには 店名を書いた、ただの看板があるだけだった。

通り過ぎる

夜寝る前に二階の吹き抜けから電気の消えた一階を見下ろしながら、子供のトイレを待っている。 子供がトイレから出てきて、ふざけて 一階に向かって「はーなこさーん遊びましょー!」と言った。 その瞬間壁の方から黒い影がスッと出てきて、風呂場の方へ抜け…

幽体離脱あるいは何かの擬態

今起きたこと。 明け方。 別室で寝ている妻の血相を変えたような声で、名前を呼ばれて起こされた。 何かあったのか、と飛び起きるもそれから何も言われない。 恐る恐るドアを開けてみると、誰もいない。 その時、ちょうど妻の部屋から目覚ましのアラームが流…

嗤う声

台風が九州を通過した関係で、雨は降らなかったが風が強かった日。 夜中ウッドデッキで子供と風を浴びながら歯を磨いていると、 庭のフェンスの少し向こうの暗闇から 「ウフ…ウフフフ…」 と神経に触るような甲高い声で嗤う女の声が聞こえて、慌てて家の中に入った。…

馬乗り

布団で子供と二人で寝ていると、深夜腰に「ドンッドンッドンッ!!」と3回衝撃を感じて目が覚めた。 誰が馬乗りになっている。 どうやら馬乗りの状態で上で飛び跳ねられたらしい。 寝ぼけていたので「子供が起こそうとして馬乗りになっているのか?」と思っ…

失せ物

引っ越しの前に、自転車の鍵を無くした。 荷物をひっくり返して探してもどうしても見つからない。 そもそもしばらく乗っていない自転車だったので、だいぶ前からなかったのかもしれない。 仕方がないので、鍵を閉じたままトラックに担いでもらい新居まで運ん…

直角

仕事が終わるのが遅く、疲れ果てて部屋で寝ていた。 すると突如脇腹にズシンと何かが乗ってきた。 目を開けると黒い影のように見える大きな男が、寝ている自分と直角に重なるように横たわっていた。 とにかく重い。 しばらくうんうんと唸っていたが、突如男…

落下音

二階の自室で寝ていると、まるで鉄球でも落ちたかのような、凄まじい落下音で飛び起きた。 慌てて外に出て一階のリビングやキッチンを確認したが、何も落ちていない。 ならば外から車でも突っ込んできたか、もしくは頭のおかしい人が巨大なハンマーか何かで…

霊障

先日、「島田秀平とオカルトさん!」を聞きながら車を運転していた。 ちょうどトンネルに差し掛かったところでカーナビが動かなくなる。 電波の問題かなと思ったが、トンネルを抜けてもそのままである。 すべての道が消え、トンネルがあったであろう場所から…

ヒビ割れた声

昨夜、久々に友人と飲みに行き11時過ぎに自宅に帰った。 速攻着替えてベッドに潜り込み寝ていると、廊下から三人くらいの女の声を合わせたようなヒビ割れた声質で 「○○」 と、たったふた文字だけの声がした。 だが、その一文字も思い出せない。

戒壇巡り

香川県の善通寺に行った時の話。 善通寺の本堂の床下を歩く、「戒壇巡り」というものをやった。 一寸先も見えない、全くの暗闇の中を左手を壁に添えて宝号を唱えながらゆっくりと歩く。 頼りになるのはひやりとした左手の感覚と、前後の人が唱える宝号の声の…

ノイズ

自室で一人、怪談を語る番組を見ていた。ちょうど霊が現れる描写を語っている時に、ブブブブブブブブと今まで聞いたことのないノイズがヘッドホンから流れ、画面が小刻みに揺れた状態でフリーズした。何か、通ったのか?

ノック

今日明け方、自室のドアがノックされて目が覚めた。ドアを開けたが、常夜灯のついた廊下には誰もいなかった。

混線

今日あった出来事。 仕事であるお客さんに電話をした。 数コールあって、繋がる。 「〇〇ですけど。」 全く違う人だった。 「すみません~~さんの携帯ではないですか?」 と確認するも、違いますとのこと。 「申し訳ありません。間違えました。」 と電話を…

恋人つなぎ

昨夜の話。 自室で寝ていると金縛りにあった。 突然、恋人つなぎで誰かに手をつながれたかと思ったら、腕だけの力で女のシルエットがベッドの下からせり上がってきた。 誰かに恨まれた記憶はない。

「鬼がいる。」

新居に引っ越してきたばかり頃の話。 新居は二階建ての一軒家で、玄関を開けるとトイレとちょっとした空間があり、 リビングへは一枚ドアを隔てている。 まだ引っ越して間もなく、部屋には段ボールが積まれていた。 当時3歳だった子供を遊ばせながら、片づけ…

柏手

よく晴れた冬の朝。 仕事に行こうと玄関を出て、鍵を回すとすぐそばで 「パンパン」 と柏手が聞こえる。 家族は出払っており家には誰もいない。 外に置いてある植木の後ろくらいから聞こえる。 「パンパン」 また柏手が鳴る。 目を凝らしても、当然誰もいな…

せっかく秘密にしてたのに。

自室で、ドアに背を向けて寝ていると金縛りにあった。 金縛りはたまになるが、この日は急に空気が変わって 「やばい、何か来る。」 と思った。 その瞬間足を引っ張られてズルズルと姿勢を変えられる。 実際に引っ張られているというよりは「中身を引き抜かれ…

お盆、田舎道での出来事

日曜の昼下がり。 うだるような暑さの中自転車で田舎道を走っていると、何の日陰にもなっていないところで 急にコンビニのドアが開いたかのような冷気を通り抜けた。 お盆のたったそれだけの出来事。