オチのない怪談ブログ

自分が体験した、あるいは誰かから聞いたオチのない怪談を蒐集するブログ

スイッチ

カチ  カチ  カチ  カチ

 

という音で深夜に目を覚ます。

 

音は一定のリズムでずっと続いている。

 

なんの音だろうか。

 

寝ぼけた頭でぼんやり考える。

 

 

カチ  カチ  カチ  カチ

 

ああこれは、電気のスイッチを押す音だ。

 

廊下に続く自室のドアを見ると、かすかに空いている床面の隙間から

 

カチ  カチ  カチ  カチ

 

音に合わせて電気が明滅していた。

誰かが、延々と電気のスイッチをつけたり

消したりと繰り返している。

 

 

 

こんな深夜に、こんな馬鹿げたことをする人間はいない。

 

と言うことは。

 

 

私は耳栓を強く押し込み、布団を被った。