オチのない怪談ブログ

自分が体験した、あるいは誰かから聞いたオチのない怪談を蒐集するブログ

子供部屋怪談① ベッドをたたく手

中学生低学年のころ、まだ兄と同部屋だった。

6畳程度のマンションの一室に机を背合わせで置き、壁際には二段ベッドがあった。

僕はその二階を使用していた。

生活空間は、ベッドの上と机の上だけの狭い空間であった。

 

そこで起きた短い怪異をいくつか。

 

夜中に目が覚める。

まだ四時ぐらいで起きるには早すぎるので、ベッドの中で布団にくるまって目を開けていた。

すると、パンッとベッドの柵を手で叩かれる。

ぎょっとして上体を起こす。

 

兄がいたずらをして叩いたわけではない。

なぜなら、柵の間から見える指が、下を向いていたからだ。

つまり、天井から柵を叩かれたことになる。

 

 恐る恐る梯子を下り、兄の様子をみたが、兄は当然何事もなかったようにすやすやと眠っていた。