Oさんから聞いた体験。
知人から譲ってもらったお守りが、ボロボロになってきた。
捨てるわけにもいかないので、厄除けで有名な神社に納めに行くことにした。
ナビを頼りに車で神社に向かう。
もう少しで神社に着くというところで別れ道がある。
右と左に矢印が出ており、どちらに進んでも神社に到着するようだ。
なんとなしに右の道に進む。
ぼんっと、突然顔に鈍い衝撃を感じた。
車は何事もなく進んでいくのだが、体に押し返されるような圧迫感を感じた。
この道は行けない、と直感的に感じUターンする。
先ほどの別れ道に戻ってきて、次は左の道を進む。
今度は真っ暗で道の先が全く見えなかった。
夕暮れで薄暗かったとはいえ、まだ日は出ている。
多少の木々はあったが、太陽の光を全く通さないほどの密林では当然ない。
だが車のヘッドライトをつけても、真っ暗で何も見えないのだ。
結局神社に行くことは諦めた。
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いろいろな媒体で実話怪談に触れていると、「行きたいところにたどり着けない話」のパターンに何度か遭遇することがある。
だが、まさに身近に居る人で実際に体験したという話を聞くことが出来たので、「行きたいところにたどり着けない話」は確かに存在するのだろう。
カーナビが違う場所を案内するパターン、交通機関のダイヤが狂うパターンなどいろいろなパターンが存在するが、「物理的に押し返される」話はあまり聞いたことがない。
ちなみにOさんはその後もう一回チャレンジするも、全く同じ現象でついぞ神社にたどり着くことはできなかったという。