・ベタな幽霊
雨の日の深夜車を走らせていた。
急な上り坂になるところで車が減速すると、
歩道を白いワンピースを着てランドセルを背負っている少女が傘もささずに歩いているのが見える。
こんな時間に?と振り返ると、誰もいない。
ずいぶんベタな幽霊を見たな、と思い家路を急ぐ。
・どうでもいい正夢
しこたま飲んだ後、3人で夜の自然公園を歩く。
自転車のライトを灯りにして、池の周りの木道をコツコツと歩いた。
いい雰囲気だったので
「デジカメ持ってくればよかった」
と呟いた瞬間、全く同じ状況の夢の中で同じ言葉を呟いたことを唐突に思い出す。
危機を回避したり、宝くじがあたる正夢が見たかった。
・入れ替わり〜記憶の怪談
幼少時代、某国民的男性アイドルのメンバーの一人の顔が、ある日突然変わった。
名前は同じなのに顔が明らかに違う。
その日から、彼は過去の映像の顔も、全て新しい顔に置き換わった。