娘が病に伏して、入院した。
夫は数年前に他界していたため、マンションに一人住まいだった。
ある朝、棚の上に飾ってある博多人形を見ると、
首が落ちていた。
随分前に親戚から娘宛にもらったものであり、それから何年も飾っていた人形だった。
無造作に首がごろりと転がっているのではなく、
首は人形の足元に「まるで誰かが置いたかのように」しっかりと前を向いて立っている。
首の断端に凹凸はなく、何か鋭いものでスッと切られたかのようだった。
一ヶ月後、病魔に苦しんでいた娘が天へと旅立った。
関連があるかは、わからないが。