小学生の頃。
友人に、霊感があるという人がいた。
いわく、「家にも普通に居る」らしい。
その友達から家に遊びに誘われた。
自分は霊感などなかったし、そう言った類いも信じていなかったため特に抵抗なく遊びに行くことにした。
友人の家は玄関を開けるとすぐ二階に続く階段があった。
扉を開けて靴を脱ごうとした時に、その階段から濃密な気配を感じた。
姿は全く見えないが、何かいる。
なぜだか男性だとわかる。
「ああ、そこね、おじさんが立ってるよ。」
二階の部屋から顔を覗かせて、友人が言った。
流石に気味が悪かったので早々にお暇し、家に帰ることにした。
自宅に着くと、まだ仕事をしているはずの母親が血相を変えて出て来た。
「あんたどこ行ってたの?!」
母親は家が火事にでもあってるんじゃないかという、猛烈な胸騒ぎを感じて職場から早退して来ていたのである。
母親にも霊感があることを、その日知った。