中学時代の話。
確かテスト期間中だとかで、いつもよりかなり早い時間に家に帰った。
エレベーターで7階にのぼり、廊下に出る。
各部屋の窓のところにスペースがあり、各々住人たちが植物やら置物やら好きなものを置いている。
ちょうどお昼の時間で、廊下には全く人の気配がなかった。
門の前まで行き、自分の家の呼び鈴を押す。
部屋の中からピンポン、と小さな音が聞こえただけで応答はなかった。
鍵は持っていたがなんとなくめんどくさくて、もう少し待っていようとぼんやりと廊下を眺めていた。
すると、かすかに植物が揺れて廊下の空間が一瞬人の形に歪んだ。