大学時代、韓国留学生から聞いた話。
母親と2人で高速を走っていると、中央分離帯のところに女が佇んでいる。
母親はそれに気がつくと、「こんな所に立っているなんて何か事情があるのかも知れない、乗せてあげようか?」
と言う。
真昼間だったので幽霊だとは思わなかったが、どちらかと言うと頭のおかしな人だったら嫌だなと思い、
「面倒なことに関わるのはやめよう」と母親を制止した。
「そう。」
と母親が言うのを聞きながらなんとなしに通りかかりざまに女を見ると、
女の顔に大きな穴が空いていて、
向こうの景色が見えていた。