オチのない怪談ブログ

自分が体験した、あるいは誰かから聞いたオチのない怪談を蒐集するブログ

短怪談②

・顔

友達二人で風呂に入っていた。

ふざけて飛ばした飛沫が壁に染み込むと、はっきりと女の顔が浮かび上がった。

顔は上から水をかけても消えず、しばらくそこにあり続けた。

 

 

 

・すれ違い

スイミングスクールで泳いでいると、向こうから誰が泳いでくる。

25メートルプールの真ん中くらいですれ違い、プールから上がって振り返ると、誰もいない。

 

・影

壁に向かう形で座って読書をしている。

ふと、前を見ると自分の影が壁に投影されている。

その影が、不意に右手を挙げた。