カチ カチ カチ カチ
という音で深夜に目を覚ます。
音は一定のリズムでずっと続いている。
なんの音だろうか。
寝ぼけた頭でぼんやり考える。
カチ カチ カチ カチ
ああこれは、電気のスイッチを押す音だ。
廊下に続く自室のドアを見ると、かすかに空いている床面の隙間から
カチ カチ カチ カチ
音に合わせて電気が明滅していた。
誰かが、延々と電気のスイッチをつけたり
消したりと繰り返している。
こんな深夜に、こんな馬鹿げたことをする人間はいない。
と言うことは。
私は耳栓を強く押し込み、布団を被った。